矢吹申彦 追悼絵画展 NOV.たくさんの絵をありがとう
2022年10月28日に78歳で亡くなったイラストレーターの矢吹申彦氏の追悼絵画展が、2023年4月7日(金)〜22日(土)に御茶ノ水ブックカフェ・エスパスビブリオで開催されました。
矢吹申彦氏のプロフィール
矢吹申彦氏は東京都世田谷区生まれ。学生時代から美術に関心をもち、日宣美展で和田誠氏の作品に出会い、大変な衝撃をうけます。高校を卒業後、「NOV造形実験室」を名乗り、友人関係の会社のパンフレット等のデザインを始めます。1965年には桑沢デザイン研究所に入社。同年に和田誠氏の仕事の手伝いをするようになり、「日活名画座」ポスターのレイアウトを任され、以降名画座がなくなるまで続けました。
1967年に桑沢デザイン研究所を辞してから、フリーのグラフィックデザイナーとなり、「NON STUDIO」を名乗ります。『ニューミュージック・マガジン』(現『ミュージック・マガジン』)第2号のアートディレクションを行い、76年3月号まで79点の表紙を描き続けました。同じイラストレーターの湯村輝彦氏、河村要助氏と一緒に「100パーセント・スタジオ」を設立して活動しました。
また、書籍や雑誌のイラストも数多く手がけ、自らも『矢吹申彦音楽図鑑』『東京の100横丁』などがあります。
矢吹申彦氏の作品が飾られた空間
矢吹申彦氏の追悼絵画展は御茶ノ水にあるブックカフェ・エスパスビブリオで行われました。絵画展開催初日である4/7は矢吹氏の誕生日。あえて「お別れ会」や「偲ぶ会」という形をとらず、矢吹氏と親交のあった方々をお招きして、矢吹氏の誕生日を一緒に過ごすというコンセプトでレセプションが行われました。エスパスビブリオのオーナーであり、長年のご友人であるグラフィックデザイナーの齋藤芳弘氏が開催の挨拶を、親交があったムーンライダースのボーカルである鈴木慶一氏が締めの言葉を送りました。当日は悪天候にも関わらず、矢吹氏のご友人や関係者など77名の方がいらっしゃったそうです。
追悼絵画展は矢吹氏の作品が数多く展示され、ビートルズをBGMに矢吹申彦氏の世界観が空間全体で表現されていました。青い空やぽっかりと浮かんだ白い大きな雲、ユーモアたっぷりの猫と紳士など。平日昼間に訪問しましたが、矢吹氏のファンの方が次々と訪れて、その優しく、懐かしいイラストに見入っていました。
追悼絵画展のパンフレットのタイトルは『NOV hello goodbye』 。ページを開くと、浅井慎平氏、古今亭志ん輔氏、中山千夏氏など多くの友人から矢吹氏へのメッセージが素敵なイラストとともに寄せられています。学生時代のこと、音楽、趣味の俳句のことなど。矢吹氏とともに過ごした時間が素晴らしいものだったことに胸を打たれます。
矢吹申彦氏の追悼絵画展は22日(土)までです。エスパスビブリオは御茶ノ水駅から歩いて10分程の「とちのき通り」にあります。神保町の古本屋通りからも歩いていけるので、矢吹氏の素敵なイラストを見にぜひお立ち寄りください。
※※本会につきましては弊社『Story』の施行ではなく、当日会場にて取材をさせていただき作成した記事になります。※※
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました