故人の葬儀後に、お別れ会の案内が届くことがあります。出席できる場合は問題ありませんが、やむを得ず欠席する場合、弔電を送るべきか迷う方もいることでしょう。
この記事では、お別れ会の意味や目的、お別れ会に弔電を送ることの是非について解説します。お別れ会におけるマナーや、欠席時のお悔やみの伝え方についてもあわせて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
お別れ会とは
お別れ会とは、近親者のみで葬儀や火葬式を執り行った後、日を改めて故人と生前親しくしていた方を招き、お別れを伝える場のことです。「偲ぶ会」と呼ばれることもあります。
近年では、お通夜と本葬を家族のみで執り行い、友人や知人とのお別れは後日お別れ会の場で行うというケースが増えています。
葬儀とは異なり、お別れ会には特に決められた形式はありません。主催者が演出やプログラムを自由に企画できる点が、お別れ会の特徴です。
なお、一般的な葬儀を「お別れ会」と呼ぶこともあります。その場合は、一般的な葬儀と同じように考えて問題ありません。
お別れ会に弔電を送るのはふさわしくない?
弔電は本来、急な訃報でお通夜や葬儀に参列できない場合に送るものです。
一方でお別れ会は、お通夜や葬儀のようにすぐに行われるものではなく、ある程度の余裕をもって日程が決められます。
欠席の連絡を事前に伝える十分な時間があるにもかかわらず、当日の弔電で済ませるのは、慣例上ふさわしい行動とはいえないかもしれません。
ただし、一般的な葬儀を「お別れ会」と呼んで執り行っているときは、弔電を送っても問題ありません。また、故人が亡くなってから1〜2ヵ月の間に執り行われる社葬についても、「お別れ会」と呼ばれることがあります。
この場合、出席できない旨を伝えるために弔電を送ることは非礼にはあたりません。
お別れ会におけるマナー
お別れ会に出席する際のマナーは、以下の3つです。
・出席者選びのマナー
・服装のマナー
・香典・供物・供花のマナー
以下、各項目について詳しく解説します。
出席者選びのマナー
企業の代表者や功績のあった人物のお別れ会では、出席者の選定に関するマナーを遵守することが重要です。
一般的なマナーとして、お別れ会に出席する人は、自社において故人と同等以上の役職に就いている人を選びます。
例えば故人が企業の代表者であった場合、自社の代表者が出席することで故人に対する敬意を表せます。
同等以上の役職者が出席できない場合には、弔電を送った上で代理人を立てることも可能です。その際、本来出席すべき役職者の名刺を持参するのが望ましいでしょう。
服装のマナー
お別れ会では通常の葬儀と異なり、平服を指定されることが多く見受けられます。ただし、平服は普段着とは異なることに注意が必要です。
派手な色は避け、男性であればダークカラーのスーツ、女性であればダークカラーのスーツやワンピース、アンサンブルを着用しましょう。特に指定がない場合においても、平服を選べば問題ありません。
香典・供物・供花のマナー
お別れ会は多くの場合、会費制で実施されます。会費について案内がある場合は、白無地の封筒に住所と氏名を記載し、会費を入れて持参しましょう。受付で直接支払いが可能なケースもあります。
会費の案内がない場合は、香典袋に包んだ香典を持参しましょう。表書きには「御霊前」や「お花料」などと記載するのが一般的です。
なお、香典・供花・供物を辞退することが案内状に記載されている場合は、持参しないようにしましょう。特に記載がなければ、供花や供物を送って弔意を示しても問題ありません。
お悔やみの言葉を送りたい場合は手紙にしよう
お別れ会に招待されたものの、当日どうしても参加できない場合も考えられます。そのようなときは弔電ではなく、お悔やみの手紙を送るとよいでしょう。
手紙であれば自分の言葉で礼を尽くした文章を考えられるため、ご遺族へのお悔やみの気持ちが伝わりやすくなります。
ここからは、手紙を送る際のマナーや内容、忌み言葉を避けるコツについて解説します。
手紙のマナー
お悔やみの手紙は縦書きで書くのが基本です。横書きは相手にカジュアルな印象を与えかねないので、避けてください。封筒や便箋は、白無地や落ち着いた色のシンプルなデザインを選びましょう。
故人を偲ぶ気持ちを示すために、手紙の宛先はお別れ会の実行委員ではなく、ご遺族とします。ご遺族のお名前がわからない場合は、「〇〇家 ご遺族様」とすれば問題ありません。
手紙の内容
お悔やみの手紙の文面には、哀悼の意、お別れ会に参列できないことへのお詫び、故人のご冥福を祈る言葉、ご遺族を慰める言葉などを盛り込みます。
あまり長文になると読み手の負担となるため、できるだけ簡潔にまとめることが重要です。また、通常の手紙で使う時候の挨拶や「拝啓」などの頭語は省略しましょう。
忌み言葉を使わないように工夫する
弔電やお悔やみの手紙には、使用してはいけない「忌み言葉」があります。実際に送付する前に、忌み言葉が文面にないか確認しましょう。
忌み言葉の例
・重ね言葉:不幸が重なるという意味を連想させる言葉(例:またまた、かさねがさね、たびたび、くれぐれも、いろいろな)
・不幸が続くイメージを与える言葉:再び、追って、引き続き、繰り返し、など
・不吉な言葉:消える、とんでもないこと、迷う、消える、など
・死を連想させる言葉:死ぬ、ご存命中、生きる、急死、など
・縁起が悪い言葉:終わる、流れる、敗れる、切れる、など
・否定的なイメージを連想させる言葉:最後に、頼りない、など
手紙を送るときの例文
ここでは、取引先に送付する場合と、友人のご遺族に送付する場合の2つの例文を紹介します。忌み言葉を避け、適切な敬称を用い、丁寧な表現を心がけましょう。
例文1(取引先への手紙)
貴社〇〇様のご逝去の報に接し、ご遺族の皆様ならびに社員ご一同様に慎んで哀悼の意を表します。〇〇様には弊社社員一同、ご生前のご厚情に深く感謝しております。
本来であればお別れ会にお伺いすべきところですが、遠方のため略儀ながら書中にてお悔やみ申し上げます。
貴社の皆様が力を合わせ、この度のご不幸を乗り越えられることを心よりお祈り申し上げます。
例文2(友人のご遺族への手紙)
御尊父ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、衷心より哀悼の意を表します。生前、ご尊父にお目にかかる機会がございましたときに、お優しい言葉をかけてくださったことが今思い出されます。
本来であればお別れ会に参上いたしまして、お見送りに伺うべきところでございますが、やむを得ない事情により、書中にて失礼させていただきます。
ご家族の皆様の心中を思いますと、悲しみや寂しさはいかばかりかと存じますが、お気持ちを強くもち、どうぞご自愛ください。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
まとめ
お別れ会への弔電は、慣例上避けたほうがよいとされています。弔電は通夜・葬儀に参列できない場合に送るものであり、お別れ会のように四十九日や一周忌などを目途に開催される場では不適切と考えられています。
お別れ会に出席できない場合は、弔電ではなくお悔やみの手紙を送りましょう。お悔やみの手紙を書く際は忌み言葉を使用しないよう注意し、礼儀にかなった文面にすることが大切です。また、故人との関わりや思い出を一言添えると、故人を偲ぶ気持ちがより一層伝わります。
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NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました