偲ぶ会とは、「亡き人への敬意や感謝の気持ちを表す場」です。宗教的な意味合いが強い葬儀ではないため、服装やマナーも会の雰囲気や形式によって大きく異なります。この記事では、偲ぶ会の会場や形式、年代や季節に合わせた装いの考え方を詳しく解説します。
目次
知っておきたい偲ぶ会の雰囲気と服装の関係
偲ぶ会は「悲しみを分かち合う」よりも、故人への「感謝を伝える」傾向が強いイベントであり、会場や主催者によって雰囲気が大きく変わります。以下に会場別の特徴をまとめました。
- ホテル:フォーマルで静かな雰囲気。ロビーには一般客もいることが多く、フォーマルな装いが求められることが一般的。
- レストラン:明るく温かい雰囲気で、故人の思い出のお店の場合もある。
- 自宅やカフェ:カジュアルで親しみやすい空間が広がり、少人数向きのアットホームな雰囲気。
偲ぶ会の服装は、フォーマルよりも「清潔感・控えめ」を意識しましょう。シワや汚れを避け、静かな佇まいで参加することが最大のマナーとなります。参加者同士の距離が近い場合が多いため、会にふさわしい服装を着用しましょう。これにより、故人への感謝の気持ちをおだやかに皆で共有できるでしょう。
また、「平服でお越しください」と招待状に記載がある場合も、「平服=普段着」ではないため、なるべくフォーマル寄りの服装を着用したほうが良い場合もあります。
なお、当日まで迷った場合は、ビジネスシーンの装いやオフィスカジュアルの服装で参加すれば問題はないでしょう。
【偲ぶ会の会場別】一般的な服装
ここでは、ホテル・ホール開催、レストラン・カフェ開催、屋外・自宅開催別にふさわしい服装について、詳しく解説します。
ホテル・ホール開催の偲ぶ会における服装
ホテルやホールで開催される偲ぶ会では、準喪服またはダークスーツが基本とされています。全体的に統一感や清潔感、上品な装いに仕上げることで、フォーマルな雰囲気になじみます。なお、ホテルによっては、喪服がNGの場合もあるため、招待状のドレスコードを必ず確認するようにしてください。
- 男性
- 服装: 黒、濃紺、グレーのスーツを着用
- 小物: 黒色のネクタイと靴、落ち着いたダークカラーのカバン
- 女性
- 服装: 黒、紺、グレーのワンピースまたはスーツ
- 小物: 靴とバッグは黒系でまとめる
- アクセサリー: パールなど控えめなものを付けることを推奨
レストラン・カフェ開催の偲ぶ会における服装
会場がレストランやカフェの場合、案内状に「平服で」と記載されることが多いのですが、カジュアルすぎないよう注意が必要です。男女ともに、喪服ほど暗くなく、華美すぎない上品な装いが推奨されます。
- 男性
- ダークカラーのジャケットやシャツ
- ノーネクタイ もしくはダークカラーのネクタイを着用
- 女性
- 黒、グレー、暗いベージュ系などの控えめな色味の服
- アクセサリーやバッグも控えめなもので統一
屋外・自宅開催の偲ぶ会における服装
屋外や自宅での偲ぶ会では、アットホームな雰囲気で行われますが、故人を偲ぶ場にふさわしい装いを心がけましょう。屋外の場合は、体温調節ができるように、カーディガンやジャケット、カイロなどを持参することをおすすめします。
- 男性
- 落ち着いた色のジャケットやシャツ
- ノーネクタイ もしくはダークカラーのネクタイを着用
- 女性
- 清潔感のあるインナーにダークカラーのパンツやスカート
- 光沢や華美な装飾のあるもの、カジュアルすぎるものはNG
【年代別】偲ぶ会にふさわしい服装
ここからは、偲ぶ会にふさわしい服装を年代別に見ていきます。それぞれの年代に応じたスタイルを意識することで、より良い印象を与えることができます。共通して、遺族やほかの参加者に良い印象を与える装いを選ぶことが大切です。
20代・30代は「清潔感」と「控えめさ」が大切
この年代は、メイクや小物などが派手にならないように注意しましょう。また、黒スーツを用意しておくことで、あらゆるシーンで活用できます。
- 清潔感と落ち着きを重視した服装
- 女性は露出を控えたスタイル、自然なメイクが基本
- 若年層ほど「喪服よりシンプルな黒スーツ」で十分
40〜50代は「品格」と「落ち着き」を意識する
ミドルエイジは、エレガントな装いとアクセサリーが相応しい世代です。葬儀や偲ぶ会に行く機会も増えてくるため、日頃から礼服の手入れやサイズチェック、買い直しをするようにしましょう。
- 遺族や会社関係などで偲ぶ会への出席機会が多くなる世代
- 品格を意識したフォーマル寄りの装い、高品質な素材を選ぶ
- 素材感やアクセサリーの控えめさが印象を左右
60代以上は喪服でもOK 体調も考慮して選ぶ
この年代は、姿勢が楽な服や靴でありながら、品位のあるスタイルが良いでしょう。くれぐれも怪我や転倒、体調不良にはご注意ください。
- 喪服でも違和感なし。体調優先で着脱しやすい服を
- 季節に合わせてコートやストール、カーディガンで調整
- 長時間立ちっぱなしでも疲れにくい靴を選ぶ
【季節別】偲ぶ会の服装ポイント
偲ぶ会に参列する際は、季節ごとの「色の重さ」や「素材感」で雰囲気を整えることで、よりスマートな印象を持たせることができます。気候に応じた装いのポイントは以下の通りです。
春
- 寒暖差に対応できる、明るすぎない淡い色のコートや上品な春物のカーディガンを着用します。
- 花粉症対策としてのマスク着用は容認されます。
夏
- 半袖も許容されますが、肌の露出を抑えるため、黒のカーディガンやボレロを羽織ります。
- 素材は通気性の良いクール素材や防臭素材を選び、快適さを優先します。
- 足元はサンダル、スニーカーなどカジュアルなものは避け、フォーマル感を保ちます。
秋
- 落ち着いたトーンのグレーや紺のセットアップが適しています。
- 朝晩の冷え込みに備え、軽めのジャケットやカーディガンをアウターとして用意しましょう。
冬
- 黒や濃色のコートで万全の防寒対策を施します。
- 会場内に入る前にコート類(手袋、マフラー含む)を脱ぎ、クロークに預けるのがマナーです。
- 足元はロングブーツを避け、カイロなどの防寒対策も安心です。
【立場別】主催者・参列者・オンライン参列の服装
偲ぶ会において、立場に応じた服装選びは大切です。それでは、立場別にふさわしい装いを見ていきましょう。
主催者・遺族側
主催者や遺族側は、準喪服から喪服を着用します。黒ネクタイや黒のワンピースなど、正装寄りの装いが適しています。主催者は「場の格を整える」役割を意識し、「故人を偲ぶ雰囲気作り」に努めることが大切です。
一般参列者
一般参列者は、案内状に記載されたドレスコードに従って服装を選びます。迷った場合は、準喪服寄りが無難です。「控えめな黒」であれば、どの会場にも対応可能です。黒のスーツやワンピース、シンプルなアクセサリーやバッグを選びましょう。清潔感があり、控えめな服装を心がけてください。
オンライン参加(近年増加)
昨今、オンライン参加者も増えてきています。画面に映る上半身の印象を意識した服装が良いでしょう。黒やグレーなどの落ち着いた色合いの服装を選びましょう。派手な柄物や大ぶりなアクセサリー、派手な背景や生活音が響く環境は避けるべきです。カメラ越しでも「心を込めて」いることが伝わるよう、整った服装と背景を選び、オンラインでも故人を偲ぶ気持ちが伝わるような姿勢を心がけてください。
避けたい服装・小物・注意点
故人への敬意を表す偲ぶ会では、服装や小物に至るまで細やかな配慮が求められます。控えめで誠意ある装いを心がけましょう。
装飾・色・素材
- 原色や目立つ柄物は不適切です。
- 素材・デザイン: 光沢のある素材、派手なレース、大きなフリル、奇抜なデザインなどは避けてください。落ち着いた質感の装いを心がけましょう。
- 大きく揺れるイヤリング、ピアスなど目立つものは場にふさわしくありません。
- 化粧・香り: 強い香水や派手なネイルはなるべく控えましょう。
バッグ・足元
- 金具付きや光沢素材のバッグ、アウトドア用のリュックなどは、ふさわしくありません。
- カジュアルなサンダル、スニーカー、華美なピンヒールなどは控えましょう。
デジタル機器
- スマートフォンやスマートウォッチの通知音や振動にも配慮し、必ずマナーモードに設定してください。
- 通話が必要な場合は、必ず会場の外で行います。
- 待ち時間でのスマホゲームや動画閲覧、動画配信などは慎むべき行為です。
まとめ
この記事では、偲ぶ会に参列する際の服装マナーを、会場の形式やご自身の年代、季節に応じた視点から詳しく解説しました。会場ごとの雰囲気に合わせた装いを心がけることが、故人への敬意を示す基本となります。
「平服でお越しください」という指定があっても、「普段着」ではないという点に注意しましょう。そして、華美すぎる装いやカジュアルな服は避け、全体を通して清潔感と落ち着き、そして誠意を込めた装いで参列ください。
地域の風習や主催者の意向により、特別な服装や色が求められる場合もありますので、迷った際は事前にご遺族や主催者へ確認することをおすすめします。おだやかな気持ちで故人を偲ぶひとときをお過ごしください。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました
















