お別れ会での献花とは?当日の流れや供花との違いを解説
お別れ会での献花にはどんな意味があるの?
お別れの会は葬儀とは違い、決められた形式がなく自由なスタイルで執り行うことができ、故人を偲ぶことを重視した「その人らしい」お別れができます。
ただ、お別れ会の流れには大きく分けて2つの方式があり、会当日はどちらか一方のみ採用されるのが通例です。
ひとつは、会の途中で指名献花や一般献花、主催者や参加者による別れの言葉などの式典が行われる方式で、この場合、お別れ会は事前に決められたプログラムに沿って執り行われます。
もうひとつは、参加者が会式時間内に来場して、順番に献花のみ行っていくという方式です。この場合、式典は一切行われません。
故人や主催者の意思によってどちらかの方式が取られるわけですが、どちらの方式においても共通して行われるのが献花です。お別れ会ではほとんどの場合、献花が行われると考えて良いでしょう。
献花には、故人を弔い、お別れをするという意味があり、参加者が1本1本の花を順番に、気持ちを込め贈ることで、故人を偲ぶことにつながります。
仏式の葬儀におけるご焼香、神式の葬儀における玉串奉奠(たまぐしほうてん)と同じ位置づけです。無宗教式で執り行われることの多いお別れ会では、参加者による献花は儀式上欠かせないものと言えます。
献花までの流れ
お別れの会での一般的な献花の手順は以下の通りです。
- お別れの会の係員からお花を受け取ります。受け取る際、左手で茎の根本の部分を上から優しく持ち、右手を花の下に添えましょう。受け取ったら、花は胸の高さに合わせます。
- ご遺族席がある場合は、祭壇の前に立つ前にそちらに向かって一礼します。それから祭壇まで進み、祭壇の前で一礼しましょう。
- 祭壇前で一礼したら持っている花を時計回りに回転させて、花の部分を自分側、茎の部分を祭壇側に向け、献花台にお供えします。
花を回転させるとき、左手は花の根本を持つ位置から、茎の中央を下から支える場所に移動させましょう。両手で下から支える形にして、献花台に置きます。 - 花を献花台に置いたら黙祷を行い、その後、後ろに下がって祭壇に一礼します。ご遺族席がある場合は、祭壇に礼をした後、体を向けて改めて一礼しましょう。
- 自分の席に戻ります。
所作のプロセスは仏式のお焼香と似ています。献花台の前で花を回転させるとき、落としたりしないよう気をつけましょう。
献花で使用される花や物
最近のお別れ会では、花ではなく故人にゆかりのある物を祭壇に献じることも増えてきました。例えば、故人が野球を愛していた方であれば、参加者が花の代わりに野球のボールを祭壇に献上するというお別れ会もあります。
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また、故人が長年農業に取り組まれていた方、あるいはご飯を食べることが何よりも好きだった方の場合、花の代わりに稲穂を捧げるというケースもあるようです。
お別れ会は、形式にとらわれず、自由度の高い点が大きな特徴。故人が好きだったもの、喜んでくれそうなものという視点で、花の代わりになる物を献じることもできるのです。
参加者に何を献じてもらうかを考えることで、お別れ会の演出の幅は広がるでしょう。
お葬式で使用される花の種類と違い
一般的にお葬式では、献花のほかに枕花、供花として使う花も用意されます。
枕花とは、故人が亡くなった際にすぐに自宅に送られる花のことです。最近では、亡くなった病院などから葬儀場にある安置室に故人を直接安置するケースが増えていますが、通夜が行われる日まで自宅にて安置を行うというご家庭もあります。
その際、枕元に供えて故人に気持ちを伝え、ご遺族の悲しみを癒すために自宅へ贈られるのが枕花です。
一方、供花とは祭壇の周囲や斎場の敷地内に飾られる大きな花のことで、「親族一同」や「〇〇家」あるいは個人名や社名などが添えられます。
葬儀に参列できない方がお気持ちを伝えるために贈るというケースも多いです。枕花、供花のどちらも、お別れの会ではあまり使用されません。
終わりに
お別れの会ではほとんどの場合、参加者による献花が行われます。参加される場合、祭壇の前で慌てることがないよう、事前に献花の作法をきちんと確認しておきましょう。
ただし、お別れ会は葬儀とは異なり、決められたスタイルがなく自由度が高いもの。花の代わりに故人が生前愛していた物やゆかりのある物が献じられる場合もあります。
その場合、どのような形で献じていくのか、会場にてきちんと確かめておくことも大切です。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました