社葬の準備とは?社葬の当日を迎えるまでにやること
社葬を滞りなくスムーズにおこなうには、どのような準備が必要でしょうか?
会社で重要な役割を担ってきた人を失うことは、組織にとってリスクを伴うこともあります。
したがって社葬は、組織のリスクマネジメントを体現する場であるとも言えます。ここでは、限られた時間の中で通常業務と並行しながら円滑に社葬の準備をすすめていくためのポイントを解説します。
目次
社葬とは
社葬とは、会社が運営主体となって故人を偲び、追悼する儀式のことです。
社葬には大きく3つの役割があります。
1.故人への追悼
故人を偲び、その功績を讃え、感謝と共に弔意を示す場。
2.社外への広報
顧客、株主、取引先などに、会社の新体制や将来像を示す場。
3.社内の結束
社員が一致協力することで、新体制下での一体感を高める場。
社葬の費用や負担割合は?
社葬の費用は原則的に税務上、「福利厚生費」として損金処理できます。ただし、経費として計上するためには条件があるため、客観的な書類を残すことが重要です。準備にかかった費用は、すべて領収書をとっておき、内訳を控えておきましょう。
会葬者リストなども後日確認を求められたときに説明できるようにしておきます。
また、社葬を執り行う際の取締役会議の議事録も、多額の費用が経費として計上される根拠として重要な記録になります。
亡くなってすぐにやること
ご逝去の報を受けたら、総務・人事・秘書などの担当者はまず、病院あるいはご自宅へ駆けつけ、お悔やみの気持ちを伝えます。葬儀社への連絡を、ご家族に代わっておこなう場合もあります。
病院で亡くなった場合は、連絡を受けた葬儀社がご自宅あるいは安置場所まで搬送します。
ご遺体が安置される場所へ、枕花の手配も必要です。
まずは、突然の訃報に混乱されていたり悲しみに暮れているご家族に寄り添い、できる限りご家族のサポートをしましょう。
遺族へ実施の意思確認
社葬をおこなうためには、ご家族の同意と協力が必要です。
会社として社葬を執り行いたい旨をご家族に丁寧に誠意をもってお伝えし、ご意向を確認しましょう。
多くの場合は、近親者のみで密葬を執り行い、日を改めて社葬やお別れ会を開催することになりますが、会社と遺族がともに通夜、葬儀・告別式を行う「合同葬」という形式をとる場合もあります。
合同葬の場合は、故人が亡くなられてから5日~1週間前後に行われるため、準備期間は短くなりますが、葬儀費用を遺族と会社とで按分することになり、双方とも経済的負担を軽減できるというメリットがあります。
いずれにせよ、ご家族から社葬執行の同意を得たら連絡を密にして、意思の疎通を図りながら、準備を進めていきましょう。
密葬
密葬を執り行う場合は、会社の関わり方を遺族に確認しておくことが大切です。
密葬とは、その名の通り、内密におこなわれる、あくまで遺族が主体となる葬儀です。密葬に取引先の関係者などが多く会葬されると、遺族だけでは対応しきれません。
会社としても密葬の日時などが漏れ伝わらないよう情報の管理に最新の注意を払い、密葬が滞りなく執り行えるように配慮し、サポートしましょう。
臨時取締役会の実施
社葬執行が決まったら、臨時取締役会を開催し、「社葬取扱規程」に従い、喪主の意向も考慮しながら、基本方針を決定していきます。社葬の規模や形式をまず決定し、その規模に応じた式場を選定します。
その他、葬儀委員長や葬儀実行委員長、香典や供花の取り扱いなどを決めていきます。
なお、社葬費用を経費として計上するために、役員会の議事録を作成しておきましょう。
施行会社の選定
社葬を執り行うにあたって、重要なのが、施行会社の選定です。
数ある葬儀社の中でも、社葬執行のノウハウをもっている業者は、ごくわずかです。社葬を成功に導くためにも、経験と実績が豊富な信頼できる施行会社を選定しましょう。
会場・日時の決定
施行会社の選定と同時に、会場と日時を決定します。
社葬は、一般的には、密葬より40日前後、四十九日法要より前に執り行うことが多いです。土・日・祝日を避けた平日で、友引以外の昼前後におこなわれることが多いですが、特に決まりはありません。
関係者が一番集まりやすい日時の候補をいくつか挙げ、会場の空き状況を確認し、日程調整をおこないましょう。
会場については、社葬の形態や、会葬者の人数を踏まえて決定します。施行会社に会場選びの提案からお願いしても良いでしょう。
・通常の社葬の場合
青山葬儀所(現在は改装工事中)などの葬儀専用式場や、築地本願寺・増上寺などの寺院式場は、多くの会葬者を迎える動線にも優れ、厳粛な儀式を執り行うのに適しています。
寺院によっては、宗派の確認が必要で、無宗教形式では使用できない場合もあります。
ホテルの宴会場は、交通アクセスがよく天候にも左右されないので社葬の会場として人気があります。ホテルによっては、遺骨の持ち込みや焼香を禁止している場合もあるので確認が必要です。
・お別れ会や偲ぶ会の場合
儀式に重きをおいて厳粛な雰囲気で執り行う「社葬」に対し、「お別れ会」「偲ぶ会」といった自由な形式が最近は人気です。
お別れ会は、式典を中心とする場合や、おもてなしの会食をメインとする場合など、そのあり方は様々で、会場も葬儀専用式場、ホテル以外には、レストラン・会議室・レンタルスペース・講堂・体育館など、さまざまな場所での開催が可能です。
ただし、自由な形式であったとしても、会社が主催するのであれば、新体制の紹介や今後の会社の方針をきちんと伝えることは大事です。会場選びは、何のために社葬を行うのか、その目的を念頭に置いて選定しましょう。
社葬前日までにやること
施行会社・会場・日時が決定したら、施行会社と相談しながら、具体的準備を進めます。
関係者への案内状の送付
まず着手しなければならないことは、案内状送付リストを作成して、発送の手配をすることです。
案内状は、招待制にする場合は出欠の返信ハガキを同封するため、遅くとも1カ月前には発送が完了するようにしましょう。供花を受付ける場合は、供花の受付先の案内も記載します。
最近は、メールでご案内を流し、ウェブフォームに出欠などの情報を記入していただくという方法を取るケースも増えてきています。弔辞やお別れの言葉の依頼は、先方の都合もありますので、なるべく早めにお願いをします。取引先、業界関係者、政治家、故人との繋がりの深かった友人などに依頼することが多いようです。
会場レイアウト・祭壇・返礼品・備品など
案内状の送付が終了したら、施行当日の具体的な内容を詰めていきます。
会場から取り寄せた会場見取り図を参考にしながら会場レイアウトを決定していきます。祭壇の位置や椅子の配置、思い出コーナーや入口から出口までの動線などを一つひとつ検討します。
当日お渡しする会葬礼状は、会葬者を予測して多めに手配します。返礼品は実際の会葬者の数量分だけ請求としてくれる業者もありますので、施行会社に相談しましょう。
このほか、胸章や受付用筆記用具など、細かな備品の準備も必要となりますので、施行会社と相談しながら用意していきましょう。
映像制作・栞・パネルの制作など
社葬では、故人の功績や会社の歴史を振り返り、故人を偲ぶために会場で映像を流したり、思い出コーナーで写真やパネルなどを飾ることが一般的です。
また、来ていただいた方に主催者からのご挨拶や故人略歴などをまとめた栞を手渡しするのも良いでしょう。
映像や栞などの制作には、ある程度日数がかかりますので、素材をできるだけ早めに集めて施行会社に渡し、指示をすることが必要になります。
社葬での係の決定・式次第の決定
社葬当日の流れや役割について、具体的にイメージしながら決定していきます。
セレモニーの式次第はもちろんですが、葬儀実行委員の集合時間、葬儀委員長、喪主、遺族の到着時間、係員の配置時間など詳細なタイムスケジュールを作成します。また、式次第は、司会者の読み上げる原稿と、BGMや映像などの指示も用意します。
当日の役割分担について、葬儀実行委員会の編成を元に、受付・記帳係や式場案内係、接待係などを決めます。どこまで社内で人員を配置するのか、施行会社のスタッフに依頼する範囲を明確にしておきましょう。
また、席次や献花の順番は、供花の配列と同様、十分な配慮が必要です。
葬儀委員長を筆頭に個人と関係が深い順となるよう決めていきます
前日リハーサル
社葬を成功に導くためには、前日にリハーサルと各種チェックを入念におこなっておくことが大切です。タイムスケジュールを確認し、式の進行に支障をきたすことがないように、動線と時間配分をチェックしましょう。
また、備品など不足しているものがないか、受付、クローク、待合所、席次、供花などの配置の確認など十分に検討し、問題点があれば調整しながら葬儀実行委員全員で最終打合せを行います。
社葬の相談から準備まですべて行ってくれる?Storyについて。
社葬の当日を迎えるまでにやることをまとめました。限られた時間の中で、通常業務もおこないながら多くのタスクを同時進行ですすめることは大変労力のかかることです。社葬を成功に導くためには、経験豊富な施行会社といかに良いチームワークを組むことができるか、という点がポイントになります。事前準備を慌てずスムーズに進めるためにも、ぜひStoryをご活用下さい。
企画から提案まですべてお任せ
Storyでは、会場選びから、映像制作、祭壇制作、その他さまざまなアイディア出しをおこない、社葬をトータルサポートいたします。
ご依頼いただくご担当者の方は、はじめての社葬で、どのように準備をすすめてよいか分からない方がほとんどですが、経験豊富なスタッフが葬儀実行委員の皆さまに寄り添いながら二人三脚で準備を進めて参りますのでご安心下さい。
当日の進行も行ってくれる
準備だけでなく、当日の進行や受付、会場案内なども、社内で対応できない場合はStoryのスタッフが、社葬を主催する会社の一員としてお手伝いさせていただきます。
お別れ会・偲ぶ会もお任せ
Storyは、宗教にとらわれない自由な形式であるお別れ会・偲ぶ会に特化して運営している業界でも珍しい形式の専門サービスです。
お別れ会とひとことで言っても、式典を中心とする会や、おもてなしの会食をメインとする会、映像や音楽を使用したエンターテイメント性の高い会など、さまざまなバリエーションがあります。これまでの数多くの実績を踏まえて、社葬の目的に沿ったご提案をいたします。
まとめ
「成功は段取り八分」といいますが、短期間でしっかりとした準備を進めることで、安心して当日を迎えることができます。
会社にとって、これ以上ないほどの重要なイベントである社葬を執り行うにあたり、不安材料は少しでも減らしておくことが会社としてのリスクマネジメントにもつながります。
Storyでは感染症対策や、バーチャル×リアルのお別れ会など、コロナ禍に対応した取り組みも行っています。社葬の準備を円滑に進めるためにも、早めのご相談をおすすめいたします。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました