「お別れ会」と「家族葬」の違いとは?規模や費用を徹底比較!
お別れ会と家族葬、その違い
近年、家族が亡くなった際、故人の意思により家族だけで「家族葬」をまず執り行い、後日改めて「お別れ会」を開催するというケースが増えています。
では、家族葬とお別れ会とは、いったい何が違うのでしょうか。今回はそんな疑問にお答えするために、それぞれの特徴と相違点について詳しく解説します。
お別れ会とは?
お別れ会とは葬儀を家族や親族のみで執り行う家族葬の形で行ったあと、ある程度の日をおいてから、知人や友人が集まって故人とお別れをする会のことです。
お別れ会には明確な定義はありません。しかし、一般的な葬儀は宗教的な弔い・儀式に重点が置かれているのに対して、お別れ会は社会的な意味合いを強く持つ会です。式次第や演出には宗教的な制約はなく、会の主催者が自由に内容を決めることができます。
家族葬とは?
家族葬とは、家族や親族など近しい人のみで少人数にて執り行う葬儀のことです。
家族葬が執り行われる理由は、「参列者が少ないことが見込まれるので葬儀の規模を小さくしたい」、「身内だけで見送りたい」、「故人が生前に希望した」など、ケースごとに違います。
規模は小さいですが、一般の葬儀と基本的な式次第・流れは変わりません。仏式であれば、お通夜を行った翌日に葬儀・告別式、火葬を執り行います。
家族葬・直葬の増加がお別れ会の増加の一因!?
株式会社鎌倉新書では、直近2年半以内にお葬式を経験したご遺族を対象に、「お葬式に関する全国調査」を定期的に実施しています。
2017年の調査では、執り行われている葬儀の種類として最も多かったのは全体の53%を占めた「一般葬」でした。しかし、2015年の調査では58.9%だったので、前回調査よりもよりも5.9ポイント減少しています。
一方、2番目に多かったのは37.9%を占めた「家族葬」で、こちらは2015年時点の31.3%から6.6ポイントも増加しました。
また、最近では「直葬・火葬式」や「一日葬」を執り行うケースが増え、お葬式を挙げて故人を弔う文化の衰退を懸念する声もあります。
ところが調査結果を見るかぎりでは、直葬・火葬式は4.9%、一日葬は4.4%にとどまり、2015年~2017年にかけて大幅に実施割合が増えているといった現象もみられません。
これらの調査結果からは、一般葬を執り行う割合が近年やや減少傾向にあり、その代わりに増加しているのは直葬・火葬式や一日葬ではなく、家族葬であることが読み取れます。
先に述べた通り、お別れ会は家族葬を執り行った後に開催されるのが通例です。家族葬が増加しているということは、それだけお別れ会が開かれるケースも増えていると推測されます。
お別れ会と家族葬を比較
では、お別れ会と家族葬はどこが異なるのか、もう少し具体的に比べてみましょう。特に会場、時期、主催者という点で大きな違いがあります。
会場を比較
お別れ会の開催場所は、葬儀式場や自宅のみならず、ホテルやレストラン、あるいは故人のゆかりのある場所など、会場となる施設の許可をもらえれば、基本的に自由に選択できます。
中には博物館や電車を貸し切るケースもあり、参列者の方が驚くような場所が会場として選ばれることも少なくありません。ただ、会場となる施設には利用できる時間や利用上のルールもあるので、事前の確認も必要です。
一方、家族葬は葬儀ですので、自宅や公営斎場、葬儀社の会館、民間のレンタル式場、寺院や教会といった主教施設、地域の公民館や集会場などで執り行われます。
式場の選択には、予算や宗教、自宅からの距離、故人の遺志、火葬場のスケジュールなどへの配慮が必要です。
時期を比較
お別れ会の開催時期に特別な決まりはありません。ただし、亡くなってから長い時間が経過するほど、参会者が集まりにくくなるといわれています。
そのため、お別れ会の開催を決めているなら、家族葬のあと何年も時間を空けない方がよいでしょう。
社葬としてのお別れ会などでは、葬儀の1ヵ月後もしくは四十九日までに開かれることが多いです。その他、故人の誕生日や一周忌など、節目の日の前後で日程を調整するケースもあります。
葬儀である家族葬の場合、ご遺体を自宅や施設にずっと安置しておくわけにはいかないため、亡くなったあと準備が整い次第執り行われます。一般的には、亡くなった日の翌日にお通夜、翌々日の午前中に葬儀・火葬を行うことが多いです。
主催者を比較
お別れ会の主催者はご遺族の場合もありますが、故人と生前親しくしていた方が集まって発起人会を作り、その上で開催されるケースが多いです。
中には家族としては家族葬で区切りをつけるつもりでいたけれど、周囲の人から「きちんとお別れをしたい」との希望が集まり、その結果、発起人が中心となってお別れ会が開催される場合もあります。
ご遺族や集まった発起人が協力し合い、お互いに話し合いを重ねていくことが、心に残るお別れ会を開くことにつながるのです。
家族葬の場合、主催者は慣習や血縁関係によって決まります。慣習に従うと、喪主となるのは故人の配偶者です。もし配偶者が高齢である場合や病気で臥せっているときは、喪主は血縁関係の深い方が優先的に選ばれます。
優先順位は、長男→次男以降直系の男子→長女→長女以降直系の女子→故人の両親→故人の兄弟姉妹、となるのが通例です。
お別れ会の会費の相場
お別れ会の費用は、招待する人数や利用する会場の利用料、当日サポートするスタッフ、演出や引き出物、料理のランクなどによって変わってきます。特に、生演奏のためにプロの演奏者を呼ぶなど、オリジナルの演出などを加えると費用は高額になることが多いです。
具体的な相場としては、お別れ会の規模や内容にもよりますが、「お別れ会の費用=参加人数×1~2万円」です。
お別れ会は葬儀から1ヵ月以上期間をおいてから開催するのが一般的ですので、その間に主催者側で予算や費用負担の方法をどうするかきちんと相談しておきましょう。
祭壇に供花を組み込んで費用軽減を図るなど、出費を抑えたい場合は対策を考えることも必要です。
お別れ会で「香典」はもらわない!?
お別れ会は参会者による「会費制」で開かれることも多く、その場合の相場は約1~2万円といわれています。会費制でない場合は、葬儀と同じく参会者はお香典を持参するのが慣例です。
主催者側は、頂いたお香典を費用に充てることで、費用負担を抑えることができます。お香典の場合も、包む金額の相場は1~2万円ほどが一般的です。
お別れ会の開催を決めたら、会費制にするのかそれともお香典を頂く形にするのか、早い段階で決める必要があるでしょう。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました