上手なエンディングノートの書き方/自分らしい最期を迎えるために
終活という言葉を聞いたことはありますか。終活とは自分の終焉をしっかり見つめ、今をより自分らしく生きるための活動で、高齢化の進んでいる日本では、この終活を行う人が増加してきています。
終活で考えておくべきこととしては必要時の介護、生前整理、相続、葬儀、供養の5つとされています。
これらを総括して行うのに良いとされているのが、エンディングノートの作成です。このエンディングノートの作成が終活の手引書の役割を果たしてくれるのです。
目次
エンディングノートとは?
終活の始まりとして書き始める人も多い、エンディングノート。
エンディングノートとは、自分の終末期や死後に向けて自分の希望や伝えたいことを、家族や大切な人に残すノートのことを言います。また自分が亡くなった後に、家族がさまざまな判断や手続きを進めるときに必要な情報を書き留めておくノートでもあります。
しかし遺言書のように法的効力があるわけではないので、家族は必ずしもエンディングノートに記載されている事項に従う必要はありません。
エンディングノートを書いておく意味は?
法的効力のないエンディングノートを、なぜ書いておくべきなのか。
その理由は、今の自分の考えを整理し今後の人生プランを見直すことで、最後まで自分らしく生きぬくための手助けをしてくれるものになるからです。
自分の思いやこれまでの生き様を書き出すことによって、自分自身を見つめなおし経済的な安心や現状の把握ができます。また認知症や不慮の事故などが起きた場合、本当の自分の意思を伝えることが困難となる場合もあります。遺言書とは違って、エンディングノートは生存時にも活用されるものなので、早いうちから自分の思いを書き出しておくことが勧められています。
エンディングノートに書くべき内容は?
実際にエンディングノートに書いておくべき内容を説明します。
書く内容は身分証明書関係や個人情報処理などの自分のこと、預貯金や年金さらに保険関係などの資産のこと、同居していない家族の連絡先や知人への連絡先について、かかりつけの病院や延命処置など医療や介護のこと、自分の希望する葬儀や納骨のこと、財産の分配についてなどがあげられます。
その他にも自分が抱いている家族への思いや、伝えておきたいことなどを書いておくのも良いです。
他にも使い道があるエンディングノート
エンディングノートの使い道は、自分の意識がはっきりしない状態になった時や死後に自分の意思を伝えるということだけではありません。
自分自身の過去の経歴や力を入れてきたこと、好きなことや嫌いなことも自由な形でメッセージとして残すことができるので、自分自身の備忘録として活用することができます。また今までの自分についてまとめていくことで、現在の自分の状況を把握することにもつながるのです。なかなか伝える機会がない家族への思いも、自分らしい言い回しで伝えることができる「手紙」のような役割も果たします。
エンディングノートはいつ書くのがベスト?
エンディングノートの書き始める時期は、特に決まっていません。
終活を考えるタイミング、主にある程度年を重ねてから書き始めることが多いように思われがちですが、人生はいつ何が起こるか分かりません。ある日、突然事故に巻き込まれて意識がなくなってしまったり、認知症になったりというのは若い時にも十分起こる可能性はあります。
そのため、自分の元気なとき、書けるときから書いておくべきです。エンディングノートは日記ではないので毎日書き足していく必要はありませんし、分からない項目は飛ばしても良いですし途中で書くのを中断しても良いです。始めに書いた情報から変わったことや解決したこと、思い出したことなどがあればその都度足していけば良いのです。
年に1度の自分の誕生日に見直したり書き始めたりする人もいれば、お正月や大切な人の命日に書いたりと人によってさまざまです。
書きやすいエンディングノートの選び方
エンディングノートに使うノートですが、特に決まりはありません。市販の大学ノートやその他お気に入りのノートを自分仕様にアレンジする方法もありますし、パソコン上でアプリを使用するという方法もあります。
またエンディングノート専用のノートも販売されています。ノートによって書き出されている項目や厚さは多少違いますが、内容はあまり変わらないため、デザインや値段で自由に選ぶことをおすすめします。書き出しに困ったりどんな内容を書けば良いのか分からない場合や、書くことに自信がない人でもこのエンディングノート専用のノートであれば、あらかじめ項目が分けられているため、比較的書きやすいようにできています。
これからの自分の人生をさらに有意義なものにするためにも、エンディングノートを活用してみてください。
※本記事は、2017年10月23日に「いい葬儀マガジン」に掲載された記事を転載しています。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました