社葬の案内状の書き方と例文 | マナーや注意点も紹介
社葬は「会社が主催するお別れの会」であり、故人の業績を称える役割を担います。社葬では、故人と生前親交のあった関係取引先や知人に対して、日時や場所などの情報を正確に伝えるために案内状を作成します。
社葬の案内状は、故人のご遺族や参列者の心情に配慮し、マナーや注意点を踏まえて丁寧に作成することが大切です。
本記事では、社葬の案内状の書き方と例文、マナーや注意点について解説します。社葬の案内状を書く際には、ぜひ参考にしてください。
目次
社葬とは
社葬とは、会社が運営の主体となって故人を追悼する儀式のことです。
故人を供養しご遺族を慰めるとともに、社内外に対して故人の業績や貢献を称える役割を担います。
また、顧客や株主、関係取引先などに向けて、会社の将来や新体制を示す広報としても機能します。言い換えると、関係各所に安心感を与え、良好な関係を継続する機会ともいえるのです。
なお、社葬は狭義には会社主体の葬儀や告別式を意味し、広義には「合同葬」や「お別れ会・偲ぶ会」も含まれます。ここからは、それぞれの違いを見ていきましょう。
合同葬
合同葬は、ご遺族と会社が通夜、葬儀・告別式を合同で執り行う儀式のことです。
準備期間が短く関係各所との調整が難しいものの、葬儀が一度で済むため、経済的負担が抑えられるメリットがあります。
お別れ会・偲ぶ会
「お別れ会」「偲ぶ会」は社葬と同じように、遺族が主体の密葬後に改めて開催されるセレモニーです。
社葬が厳粛な儀式に重きを置くのに対し、お別れ会・偲ぶ会は宗教にとらわれず、自由な形式で行われます。
社葬の開催を計画している方の多くは、「お別れ会・偲ぶ会」としての社葬を希望しています。
社葬の案内状に記載する内容
社葬の案内状は、以下の内容を含めて作成します。
・故人の氏名と役職
・逝去した日時
・葬儀の名称と種別
・社葬の日程、場所、時間
・香典、供花、供物の辞退
・葬儀の主催者、喪主
・問い合わせ先
・差出日付
案内状の作成から発送までの期間は短いことが多いため、適切な書き方を事前に覚えておくことが重要です。
社葬の案内状【書き方と例文】
社葬やお別れ会の案内文を作成する際、文面について迷うことがあるかもしれません。
ここでは、社葬の案内状の書き方や内容に関する例文を紹介します。
【書き方と例文】
「社葬」のご案内
弊社代表取締役社長◯◯◯◯儀
令和◯◯年◯月◯日午前◯時◯分永眠いたしました
ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます
なお密葬の儀は近親者にて相済ませました
つきましては「葬儀及び告別式」を左記の通り執り行いますのでご多忙中大変恐縮ではございますがご出席賜りたくご案内申し上げます
令和◯◯年◯月◯日
株式会社◯◯◯◯
葬儀委員長◯◯◯◯
喪主◯◯◯◯
記
一、日時 令和◯◯年◯月◯日(◯)
午前◯時〜午後◯時
(一般のご参会者へのご案内は正午からとなっております)
一、場所 ホテル◯◯◯「◯◯◯の間」
神奈川県◯◯市◯◯町◯-◯-◯
電話番号◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
なお誠に勝手ながらご香典 ご供花 ご供物の儀は固くご辞退申し上げます
またご来臨の節は平服にてお越し下さいますようお願い申し上げます
当日は本状封筒をご持参の上お名刺を添えて受付にご提出くださいますようお願い申し上げます
お問い合わせ先
◯◯◯◯株式会社 ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
社葬の案内状のマナー
社葬の案内状作成には、以下のマナーがあります。
・薄墨で印刷する
・香典、供花、供物を辞退する
・句読点は使わない
・忌み言葉や重ね言葉は避ける
ひとつずつ見ていきましょう。
薄墨で印刷する
社葬の案内状は、薄墨を使用して印刷するのが一般的です。喪が明けていない期間はご遺族の悲しみが深い状態にあると考えられるため、薄墨で書く習慣があります。
案内状作成における薄墨とは、灰色やグレイ色で文字を印刷することです。これは、「硯に涙が落ちて、墨が薄くなってしまった」という悲しみを意味する案内状独特の表現です。
香典、供花、供物を辞退する
香典や供花、供物は、故人の供養やご遺族の悲しみを慰めるために贈られるものです。しかし、故人の遺志やご遺族の事情によっては受け取れない場合もあります。
そのため、香典や供花、供物を辞退する場合は、必ず案内状に明記するようにしましょう。
案内状に明記しなければ、相手は「受け取る」ものと考えて用意してしまう可能性があり、それを受け取らないことは失礼にあたります。
参列者に誤解を与えず、無用な負担を避けるためにも、辞退を希望する場合は案内状へ明記することが大切です。
句読点は使わない
冠婚葬祭のような場では、「物事が終わりまでスムーズに流れるように」「途中で途切れないように」という願いを込め、句読点を使用しないのが伝統的なマナーです。
句読点は、もともと文章を読むのが苦手な人を助けるために使われていた記号です。過去には、句読点を使うことが相手を子ども扱いするような失礼な行為とみなされていました。こうした経緯からも、社葬の案内状作成においても句読点の使用は避けましょう。
忌み言葉や重ね言葉は避ける
忌み言葉や重ね言葉は、不幸や災難を連想させる言葉です。そのため、社葬の案内状に忌み言葉や重ね言葉を使うと、ご遺族や参列者に不快感を与えてしまう可能性があります。
忌み言葉や重ね言葉の一例は、次のとおりです。
・再度
・再々
・再三
・また
・続く
・皆々様
・長引く
・重なる
・重ね重ね
・たびたび
・しばしば
・ときどき
・返す返す
・くれぐれも
社葬の案内状作成にあたっては、避けるようにしましょう。
社葬の案内状を出すときの注意点
社葬の案内状を送付するときは、以下の点に注意しましょう。
・誤字脱字
・送付先の重複
・早めの送付
それぞれ詳しく見ていきましょう。
誤字脱字に注意する
送付先の企業名や住所、氏名や役職などを間違えたまま社葬の案内状を送ることは、とても失礼な行為です。社葬の時間や式場、喪主名といった内容についても同様です。
案内状を作成するときは、誤字脱字がないかどうかを確認するようにしましょう。
送付先の重複に注意する
各部署から取引先に案内状を送付する場合、送付先が重複してしまうケースがあります。
案内状が重複して届くと、どちらの案内状に従って参列すればよいのか判断に迷うことになるため、重複しないよう注意しましょう。
一つの連絡先名簿(リスト)を用意し、送付先を正確に管理するよう心がけてください。
早めに送付する
参列者が予定を調整できるように、余裕をもって案内状を送付しましょう。
主催者側としても、迅速な送付によって早めに出欠確認ができるため、社葬のスムーズな準備が図れます。
ご遺族や主催者、参列者それぞれの負担を減らすためにも、早めに案内状を送付するよう心がけましょう。
社葬の案内状はどこまで送るべきか
「過去に取引関係にあったが現在はない」「長い付き合いだが近年は減っている」「取引自体はあるものの金額が少ない」など、企業の付き合いにはさまざまな形態があります。
そのため、主要な取引先以外にも社葬の案内状を送るべきなのか、悩むケースが多く見受けられます。
実は、社葬の案内状の送付範囲に明確な決まりはありません。
社葬の案内状を受け取った側が負担に感じないよう「参列する/しない」の判断を相手に委ねる形で広範囲に送付することがおすすめです。
また、主要取引先以外にも、「OB・OG」「故人と親交が深い人」への案内状も検討しましょう。
OB・OG
現在の会社があるのは、OB・OGの活躍があったからこそです。
社葬を開催する際、元社長や元役員だけでなく、それ以外のOB・OGにも案内状を送付すると丁寧な印象を与えられます。
ただし、OB・OG全員に送付するのは現実的ではないため、社葬の規模や予算、故人との親交の深さなどを考慮し、送付する対象を選定しましょう。
故人と親交が深い人
故人との別れに彩りを添えるためにも、親族のほか、故人とプライベートで親交が深かった友人や関係者にも案内状を送付しましょう。
友人や関係者のなかには、故人の死を知らず、お別れの挨拶が済んでいない人もいるかもしれません。
漏れなく案内が行き届くよう、ご遺族と相談しながら送付先を確認しましょう。
社葬の案内状作成やアイデア出しに困ったらStoryへ
社葬を検討している企業のご担当者様は、ぜひStoryにご相談ください。
Storyは、これまで180件以上のお別れ会をプロデュースしてきました。社葬の案内状作成だけでなく、豊富な経験に基づく柔軟な提案、司会代行などにも対応可能です。
当日の式次第のアイデア出しについても、オーダーメイドでトータルプロデュースしています。また、社内での対応が困難な部分は、経験豊富なStoryのスタッフが、社葬を主催する会社の一員としてサポートします。
社葬は、ご遺族や社員にとって大切なセレモニーです。Storyが寄り添い、思い出に残る社葬を実現します。
まとめ
本記事では、社葬の案内状の書き方やマナーについて紹介しました。
社葬の案内状は、故人のご遺族や参列者の心情に配慮し、マナーや注意点を守りながら丁寧に作成することが大切です。
宛先の重複、誤字脱字、重ね言葉などの誤りを避けることは、式場の手配や司会進行を担当する事務局にとって大きな課題です。
そのような負担を軽減し、満足度の高い社葬を実現するためには、経験豊かな専門業者への依頼をおすすめします。
Storyは、社葬や合同葬、お別れ会など、目的に応じたセレモニーを180件以上プロデュースしてきた実績があります。オーダーメイドのお別れ会と、当日の細かなサポートを提供します。
社葬やお別れ会などを検討中の方は、気軽にStoryまでご相談ください。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました