直葬トラブルにご用心【直葬・火葬式を考えている方は必見】
直葬は火葬のみを行うシンプルな葬儀スタイルで、通夜や告別式の費用が軽減でき、会葬者への気遣いも少なくすむと言われ、地域社会と結びつきが少なくなってきた都市部での直葬割合は1割を超えています。
しかし手軽さの反面、故人を慕う人たちにとってはお別れの機会を失うことになります。
後日訪れる弔問客への対応に追われたり、親戚とのもめごとに発展しかねません。
葬儀費用に関しても直葬=安いとの思い込みで葬儀社との話し合いをきっちりと行わないと最初の見積り以上に請求されてびっくりしてしまうこともあります。
そこで今回は、直葬を選ぶ人が注意すべきトラブルについてご紹介します。
キチンと話し合いたい葬儀社と費用の話
直葬で必要な費用は死装束代、火葬費用、休憩室代、霊柩車、ドライアイス、棺代、骨壺、人件費などセットで10~40万円ほどかかります。
はじめにもらった見積書にすべて含まれるとトラブルにはならないのですが、そうでない場合は追加の費用が発生することがあります。
菩提寺の住職に枕経など上げてもらう場合、通常親族が手配するのですが、葬儀社に依頼すれば手数料が発生します。追加で祭壇を設けたり、生花を飾った場合なども費用がかかります。飲食物を依頼した場合は実費とサービス料が必要です。
愛する人を失った悲しさと準備の忙しさで冷静な判断ができず、ついつい葬儀社に任せてしまいがちですが、費用についてはきっちりと話し合いをしておきましょう。
参列できなかった人への配慮
通常の葬儀であれば、会社や学校、地域の人たちなどに案内をするので、その方たちを通して、家族が把握できていなかった人にも連絡が行き、参列してもらうことができます。
しかし直葬の場合、家族親類とごく親しい人たちの間だけで行うので生前故人とご縁のあった人たちにお知らせが届かないことがあります。
友人知人の中には「知らせてほしかった」、「きちんとお別れのあいさつをしたかった」という思いを持っている人もいます。そこで、亡くなってから1~2週間以内にはがきか封書で挨拶状を送りましょう。
内容は亡くなった旨、死因についても知りたい人もいるので記しましょう。また故人の遺志により直葬にした旨、そして生前のお礼を丁寧に書いてください。
香典の問題と式後の弔問対策
直葬は家族葬の中でも特に小さな葬儀形態です。香典は期待しないか、始めからお断りするのが通例です。
シンプルな葬儀とはいえ、費用は発生するものですがそれを香典で補うことはできないので、病死の場合だと入院費用などの支払いもあり大変な時期ですが、葬儀に必要な費用は準備しておきましょう。
また、ごく親しい人だけで葬儀を済ませるので、後日訃報を知った人たちがバラバラに弔問に訪れることがあります。
家族を失った悲しさから立ち直らない間に弔問客の対応に追われることは時間的、精神的な負担が大きいです。そこで、亡くなったことのお知らせ文にしばらくの間は弔問をご辞退いただきたい旨を記しておきましょう。
後日、お別れ会・偲ぶ会を改めて開くことも可能ですので、その場合は明記しておけば失礼にもあたりません。直葬を身内で終えた後、親しい人たちを呼んでお別れ会・偲ぶ会を行うケースは、最近になって増えてきています。
※本記事は、2016年8月28日に「いい葬儀マガジン」に掲載された記事を転載しています。
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました