病院や学校の“先生”とのお別れ会~費用相場はどれくらい?場所はどこで開催する?~
最近、病院の医師や大学の教授、学校の教員など、生前「先生」と呼ばれていた方々のお別れ会が増えています。患者や生徒として故人にお世話になった方が、ご恩返しの意味を込めて開催するのです。
お別れ会の具体的な内容としては、教員や医師というそれぞれの職業の特徴を生かした演出が盛り込まれるケースが多く見受けられます。
以下では、実際に執り行われた「先生」のお別れ会の内容を紹介しつつ、開催費用はどのくらいかかるのか、会場はどこにすれば良いのかなど、詳しくご説明しましょう。
目次
大学教授や学校の先生とのお別れ会
古来、葬儀には、故人と社会的なお別れをする、という重要な役割がありました。葬儀の場で、社会の一員であった故人とお別れをすることで、関係者は気持ちにひとつの区切りをつけることができるわけです。
しかし近年では、葬儀の形態が家族葬や密葬などプライベートな儀式となるケースが増えてきました。そうなると、かつて葬儀の場で行われていた「社会的な意味でのお別れ」を行うのが難しくなってきたのです。
特に大学教授や学校の先生は交友が広く、何より大勢の教え子がいます。そのような方の葬儀を家族葬や密葬形式で行うと、後になって葬儀に参列できなかった方々から、ご遺族に対して「きちんとお別れがしたかった」といった声が届く場合もあるのです。
お別れ会は、生前に故人と付き合いのあった先生に感謝を述べる場であると同時に、ご遺族の方への救済措置という意味合いもあると言えます。つまり、社会的なお別れをする場という役割を、葬儀ではなくお別れ会が担うわけです。
病院の先生とのお別れ会
同様に病院の先生・医師は、看護師や病院のスタッフと社会的な関係性を築いています。また、医師に命を救われたと感じている患者さんも大勢いるでしょう。
もし医師であった故人の葬儀が家族葬・密葬で執り行われたら、これらの方々は十分にお別れができる場を持てないため、心の区切りをきちんとつけることができません。そうなると教員の場合と同じく、お別れの場を持ちたかったという気持ちがどうしても募ってしまいます。故人のご遺族にとって、そうした周囲の方々の想いは、ある意味、プレッシャーのようにも感じられるでしょう。
お別れ会は、医師であった故人を偲ぶ場であるとともに、ご遺族をそのようなプレッシャーから解放する役割を果たします。心置きなくお別れできる場を設けることで、病院関係者や元患者の方は、自分なりに気持ちを整理できるわけです。
先生とのお別れ会、費用の相場はどれくらい?
お別れ会の開催にかかる費用は、「どのホテル、または会館を会場に選ぶのか」、「参加者は何人なのか」などにより変わってきます。また、同じ会場でも、場所だけの提供なのか、特別なサービスや演出などをオプションで付けるのかによって、支払額に大きな差が出るのが通例です。
ただ、目安としては「人数×1万5,000円」を相場として考えると良いでしょう。これは食事代とドリンク代込みでの費用です。なお、これはあくまでベースとなる金額で、趣向をこらしたお別れ会にするなら、費用は相応にかかります。
費用負担は主催者?それとも会費制?
故人が学校の先生や病院の医師である場合のお別れ会は、参加者の会費制となる場合が多く、会費は8,000円~1万5,000円が相場です。主催者はお別れ会当日の参加者が最終的に何人になるのか、前もって把握しておく必要があります。
まだ故人の葬儀を終えていない場合などは、合同葬としてご遺族と参会者とで費用を分割するケースもあるようです。
なお、お別れ会に成人していない方の参加が予想される場合、別途子ども料金が設定される場合もあります。
お別れ会の会場はどこにする?
一般の方がお別れ会を執り行う場合、斎場以外だと会場はホテルになるのが一般的です。しかし「先生」とのお別れ会の場合、故人にゆかりのある病院内や教室で開かれることもあります。
例えば大学の教授だった方のお別れ会だと、大勢の人が集まれる大学の食堂で開催したというケースもありました。教え子たちが事前に集まって大学の食堂に故人の写真を飾り、会当日は各人が持つ先生との思い出を参加者に伝えるなどして故人を偲んだのです。
また、故人が開業医だった方のお別れ会の中には、病院の診察室で執り行われたケースも。生前に医師が使っていた机の上に遺影が飾られ、参加者はあたかも故人の診察を受けるように遺影に語りかけることができました。
故人が病院の医師や教員のお別れ会には、元教え子や患者さんなど、職に関わりのある方の参加が多くなります。そのため、故人を偲ぶために、あえて職場であった学校や病院が会場として選ばれる場合があるのです。
会場によって可能な演出が代わる⁉
お別れ会の進行や演出には、基本的に決まりはありません。会場に飾る祭壇も、こうあるべきという規則もありません。そのため、故人が先生であるなら、担当していた教科にちなんだ祭壇を設けることもできます。
お別れ会は自由度が高いのが魅力ですが、特にホテルの場合、遺骨を持ち込めない、焼香を行えないなど、厳格なルールを定めていることがあります。プランとして考えているお別れ会の演出内容をその会場で行うことができるのか、前もってきちんと確認しておくことが大切です。
まとめ
病院の先生も学校の先生も、それぞれ職場での人間関係が密であることに加え、大勢の患者さんや生徒と関わるため、交友関係が広いことが特徴です。
お別れ会を開催することで、先生にお世話になったと感じている方々が、心置きなくお別れをすることができます。
学校や病院など、思い出深い場所を会場にすることができる自由度の高さがお別れ会の魅力ですが、その分企画や施行が難しいという問題もあります。困ったときには、ぜひお別れ会のプロに相談してみましょう。
お別れ会・偲ぶ会・社葬のご相談から当日進行まで
NHK「おはよう日本」でStoryが紹介されました