社葬と一般的な葬儀の違いは?種類や流れ、マナーを解説

社葬とは、会社が施主となり執り行う葬儀のことです。企業にとって重要な行事であるため、正確な知識を身につけ、万全の準備を整えることが求められます。

この記事では、社葬と一般的な葬儀との違い、社葬の対象者や目的、種類、流れ、社葬に参列する際のマナーについて解説していきます。

社葬と一般的な葬儀との違い

社葬と一般的な葬儀は、いくつかの点で異なります。主な違いは以下の2つです。

・社葬は喪主と施主が異なる

・社葬の費用は会社が負担する

それぞれについて解説します。

社葬は喪主と施主が異なる

施主とは、葬儀の運営を取りまとめ、葬儀の費用も負担する人のことです。似ている言葉に喪主がありますが、こちらは基本的に遺族代表のことを指し、出棺時の挨拶などを行います。

一般的な葬儀では喪主と施主が同じで、通常は遺族がその役割を果たします。一方、社葬の場合、喪主は遺族であることが多いものの、施主は故人が働いていた会社になります。つまり、社葬は喪主と施主が異なる点が、一般的な葬儀との違いです。

社葬では、会社が葬儀の実行委員会を設置し、社外への告知活動や事前準備・当日の葬儀進行などを執り行います。また、一般的な葬儀に比べて規模が大きくなるため、費用も膨大になり、税務上の手続きなど専門的な知識が必要です。

社葬の費用は会社が負担する

一般的な葬儀では、遺族や親族が葬儀費用を負担します。一方、社葬においては、費用を会社が全額または一部を負担することが一般的です。役職によって、会社が負担する範囲を定めている場合もあります。

社葬にかかる費用は、会社の経費として認められています。福利厚生費として損金算入することが可能です。なお、損金算入するためには、社葬として執り行うことを決定した取締役会議事録や、社葬取扱規程の設置が必要です。

社葬の対象者と目的

社葬は、どのような方が亡くなった際に、何を目的として行われるのでしょうか。ここでは、社葬の対象者と目的について解説します。

社葬の対象者

社葬の対象者は各企業の方針によって異なりますが、一般的には以下のような方々が含まれます。

・会社のトップ:社長、会長、創業者、取締役などが該当します。現職だけでなく、過去にこれらの役職に就いていた人も対象となることが多く見受けられます。

・殉職者:業務中に事故で亡くなった人、社命に従った結果として殉職した人も社葬の対象です。

・会社に大きな貢献をした人:取締役ではなかったものの、会社の発展に大きく貢献した人を対象とする場合があります。

社葬の目的

社葬は主に会社の発展のために尽力した創業者や役員、業績を残した社員の功績を称え、故人を哀悼するために執り行われます。人の死は少なからず周囲の人たちに影響を及ぼしますが、特に会社に尽くした人の死は、社員や会社にとって甚大な影響をもたらします。

また、社葬には会社の今後の体制について告知する目的もあります。葬儀には関係者が多数参列するため、社外へ会社の組織力をアピールする絶好の機会となるのです。

故人の死によって会社の体制が揺らぐことがないことを示し、後継者の紹介や今後の方向性などを伝えます。

このように、社葬は故人を偲ぶだけでなく、経営上の広報活動やイメージ戦略としても重要な意義を持っています。

社葬の種類

社葬には主に以下の3つの種類があります。

・合同葬

・社葬

・お別れ会

それぞれの種類について、次に詳しく解説していきます。

合同葬

合同葬とは、遺族と会社が合同で執り行う通夜、葬儀、告別式のことです。遺族と会社の間で詳細を話し合って、費用負担や運営について取り決めます。

合同葬であれば一度の儀式で済むため、遺族や参列者の負担を軽減できるというメリットがあります。ただし、準備期間が短くなることが多いため、スケジュールが厳しくなる点に注意が必要です。

社葬

社葬とは、会社が施主となって執り行う葬儀のことです。故人が亡くなってから、遺族や親族によって密葬が執り行われ、その後1か月程度経ってから行われるのが一般的です。

遺族も社葬に参列しますが、運営には基本的に関わりません。遺族や親族とのお別れは済んでいるため、社葬は会社目線から行われる葬儀となります。

お別れ会

昨今では、宗教色や儀式色が薄く、より自由なスタイルで故人の功績を称える「お別れ会」が人気を集めています。

ホテルやレストランなどで開かれるお別れ会では、故人をゆっくりと偲ぶことができ、温かい雰囲気の中で行われるため、多くの人に支持されています。パーティー形式で参列者をもてなすスタイルなので、堅苦しさがなく参加しやすいのも魅力です。

お別れ会のメリットとしては、参列者同士が故人を偲びながらゆっくりと歓談できることや、ホテルやレストランの質の高い接客や料理を楽しめることが挙げられます。参列者に喜んでもらい、会社をしっかりとアピールするためにも、お別れ会の開催を検討してみてはいかがでしょうか。

社葬の流れ

社葬の流れは、以下の7ステップです。

・遺族と打ち合わせを行う

・臨時役員会を開催する

・社内通達と社外通知を行う

・社葬進行要領を決定しリハーサルをする

・当日を迎える

・御礼の挨拶をする

・社葬に関わる事後整理をする

それぞれについて、順を追って解説します。

遺族と打ち合わせを行う

社葬を行うにあたっては、まず、遺族の理解を得る必要があります。葬儀委員長が喪家に出向き、遺族の意向を確認した上で打ち合わせを行いましょう。

この打ち合わせでは、日程や葬儀形式はもちろん、喪主を誰にするか、葬儀費用の負担方法についても相談します。また、故人の友人関係についても聞き取り、リストアップしておくことが大切です。

臨時役員会を開催する

社葬を行うことについて遺族の理解が得られたら、社葬取扱規程に基づいて臨時役員会を開催します。

この会議では、遺族の意向を尊重しながら社葬の日時や場所、宗教形式、予算、葬儀委員長、葬儀実行委員長、葬儀社などを決定します。また、会議の内容は必ず議事録に残しておく必要があることを覚えておきましょう。

社内通達と社外通知を行う

臨時役員会終了後には、社葬に関する基本方針を社員に向けて社内通達します。社内で情報共有しておくことで、社外からの問い合わせにもスムーズに対応できます。同時に、社葬に参列する社員の範囲についても伝えておきましょう。

続いて、社外通知を行います。重要な取引先や故人との関係が深かった人をリストアップした社葬連絡簿に基づき、社葬の案内状を送付します。最後に、社葬を知らせる訃報広告を新聞社などに手配しましょう。

社葬進行要領を決定しリハーサルをする

社内通達と社外通知が完了したら、葬儀実行委員会が中心となり、社葬進行要領を決定します。社葬進行要領とは、社葬の具体的内容を示すものです。

決めるべき内容は、タイムスケジュール、席次、拝礼順、葬儀実行委員の役割分担などが含まれます。社葬の経験が豊富な葬儀会社や葬儀場であれば、アドバイスをもらえることもあります。

 

社葬の前日、あるいはそれ以前にリハーサルを行い、タイムスケジュール、参列者の動線、席数などを確認しましょう。これにより、当日の進行がスムーズに行えるようになります。

当日を迎える

社葬当日は、開始数時間前に葬儀実行委員が集合し、最終打ち合わせを行います。各係はそれぞれの持ち場をチェックしましょう。

一般的な無宗教式の社葬の流れは、以下のとおりです。

1.開式の辞

2.黙祷

3.故人の経歴や功績の紹介

4.弔辞

5.弔電の奉読

6.葬儀委員長の挨拶

7.喪主の挨拶

8.葬儀委員長による献花

9.喪主による献花

10.遺族・親族・来賓・参列者による献花

11.閉式の辞

進行をスムーズにするために、式中の誘導や案内係の動きも事前に共有しておくと安心です。

御礼の挨拶をする

社葬が終了したら、できれば3日以内にお世話になった方々への御礼の挨拶回りを行いましょう。特に、弔辞をお願いした方には、会社の代表者が直接訪問し、感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。弔電、供花を贈ってくださった方には、御礼状を忘れずに送付します。

こうした御礼対応は単なるマナーにとどまらず、新たな体制を社外に伝える広報的な役割も果たします。

社葬に関わる事後整理をする

社葬に関わる事後整理も重要な業務です。弔辞や弔電は会社名・役職名などを記録した上で、現物を遺族に渡します。会葬者名簿についても同様に整理し、コピーを遺族へ共有しましょう。

香典・供花・供物なども整理、記録した上で、現物を遺族に渡します。

さらに、葬儀社などへの支払いを行い、会計報告書を作成します。加えて、社葬全体を総括する社葬報告書も作成し、会社で保管しましょう。

社葬に参列する際のマナー

社葬に参列する際に気になるのは、やはりマナーではないでしょうか。ここでは、社葬に参列する際のマナーとして、服装と香典について解説します。

社葬に参列する際の服装

社葬における服装は、一般的な葬儀と同様に準喪服が基本です。男性であればブラックスーツに白無地のワイシャツ、女性であればブラックのワンピースやアンサンブルを着用しましょう。

お別れ会では、平服を指定されることもあります。その場合は略喪服を選ぶとよいでしょう。男性はダークスーツ、女性はダークカラーのワンピースやアンサンブルが適しています。

社葬における香典

社葬では香典を辞退しているケースがあります。香典辞退の意向が示されている場合には、香典を持参しなくても問題ありません。

香典の受付がある場合は持参することになりますが、必ず会社宛ではなく喪主宛として包みましょう。会社として香典を受け取ると課税対象となり、税務処理が複雑になるためです。

まとめ

社葬は、主に会社の発展に尽力した創業者や社長、業績を残した社員などの功績を称え、故人を哀悼するために執り行われます。会社の強固な結束を社外に示す場ともなるため、万全の準備を整えて臨むことが大切です。

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